建築物の構造規定

建築物の定義:土地に定着する工作物で、

屋根、柱または壁を有するもの(これに類する構造のものを含む)、

これに附属する門、もしくは塀,観覧のための工作物、

又は地下または高架の工作物内に設ける事務所,店舗,興行場,倉庸その他これらに類する施設

建築設備を含むもの。

建築物でないもの:鉄道及び軌道の線路敷地内の運転保安に関する施設、

跨線橋,プラットホームの上家,貯蔵槽その他これらに類する施設

 

主要構造部:壁,柱,床、はり,屋根又は階段

非主要構造部:構造上重要でない間仕切壁,間柱、付け柱、揚げ壁、最下階の床、

廻り舞台の床、小ばり,ひさし,局部的な小階段,屋外階段、その他これらに類する部分。

地中の基礎等の部分は,火災のおそれがないために,主要構造部の定義からは除かれている。

 

構造耐力上主要な部分:基礎,基礎ぐい,壁,柱、小屋組、土台,斜材(筋かい,方づえ,火打材、その他これらに顆するもの),床版,屋根版又は横架材(はり,けたその他

   これらに類するもの)

   建築物の自重もしくは積載荷重、積雪,風圧,土圧、水圧又は地震その他の振動

もしくは衝撃を支えるものを示す。

 

建 築:建築物の新築,改築,移転を示す。

大規模の修繕、大規模の模様替え:建築物の主要構造部の1種以上について行う過半の修繕又は模様替え。

特定建築物:構造計算において,地震力について各階の層間変形角等の計算を必要とする下記に該当する建築物。

 

一 木造の建築物:高さが13m又は軒の高さが9mを超えるもの

二 組積造の建築物:地階を除く階数が4以上のもの

三 補強コンクリートブロック造の建築物:地階を除く階数が4以上のもの

四 鉄骨造の建築物

 イ 地階を除く階数が4以上であるもの

 ロ 高さが13m又は軒の高さが9mを超えるもの

 ハ 架構を構成する柱の相互の間隔が6mを超えるもの

 ニ 延べ面積が500m2を超えるもの

 ホ 建築基準法施行令第88条第1項に規定する地震力について標準せん断係数を

03以上とする計算をして安全であることを確かめていないもの

 へ 水平力を負担する筋かいの軸部が降伏する場合において,当該筋かいの端部及び接合部が破断しないことを確かめていないもの

五 鉄筋コンクリート造の建築物

 イ 高さが20mを超えるもの

 ロ 地上部分の各階の耐力璧並びに構造耐力上主要な部分である柱及び壁の水平断面積が次の式に適合するもの。

     25Aw7AcZWAi

   Aw 当該階の耐力壁の水平断面積(単位cm2

   Ac 当該階の水平断面積(単位cm2

    Z 地域係数

    Ai 当該階に係るAiの数値

六 木造,組構造,補強コンクリートブロック造及び鉄骨造のうち2以上の構造を併用する建築物、又はこれらの構造のうち1以上と鉄筋コンクリート造若しくは鉄骨鉄筋コンクリート造とを併用する建築物

 イ 地階を除く階数が4以上であるもの

 ロ 高さが13m又は軒の高さが9mを超えるもの

 ハ 述べ面積が500m2を超えるもの

 ニ 鉄骨造の構造部分を有する階が第四号ハ,ホ又はへに適合しないもの

 ホ 鉄筋コンクリート造及び鉄骨鉄筋コンクリート造の構造部分を有する階が前号ロに適合しないもの

 

構造耐力

 建築物は、自重、積載荷重,積雪,風圧,土圧,水圧,地震その他の震動及び衝撃

に対して安全でなければならない。

 

次に該当する建築物は,構造計算によってその安全性を確かめなければならない。

構造種別         規    模

  木  造  階数3以上のもの,延べ面積が500m2を超えるもの,高さが13m

を超えるもの又は軒の高さが9mを超えるもの

木造以外  階数2以上または延べ面積が200m2を超えるもの

 これらに該当する建築物の建築に当たっては,建築確認を受けなければならない。

 

大規模の建築物の構造制限

i)高さが13m又は軒高9mを超える建築物は,および延べ面積が3000m2を超える建築物は,主要構造部(床、屋根,階段を除く)を木造としてはならない。

A)高さが13m又は軒高9mを超える建築物は,主要構造部(床、屋根,階段を除く)を石造,れんが造,コンクリートブロック造,無筋コンクリート造その他これらに類する構造としてはならない。

 

建築構造設計の目標

 1.固定荷重、積載荷重は実情に応じて求める。但し、荷重分布は等分布荷重としてよいが、荷重の偏在は考慮する。

 

 常時荷重に対する目標性能:

常時荷重を安全に支持すること。

使用上支障となるような変形・振動を生じさせないこと。

木造、鉄筋コンクリート造ではクリープの防止に留意すること

2.地震力: 中地震動=建築物の耐用年限中に数度遭遇する程度の地震動

          震度5強程度、地動加速度は80200gal程度

       大地震動=建築物の耐用年限中に一度遭遇するかも知れない地震動

          震度6強〜7程度、地動加速度は300400gal程度

耐震性の目標性能:

中地震動に対しては、建物の機能と財産価値を保護すること

骨組に生じる応力度が材料の許容応力度以下であること

     建築物が弾性範囲(線形範囲)にあること

     内外装材、設備等が骨組の変形に追従できずに破損、脱落しないこと

     (建築物内外の人命損傷防止、防火安全性の低下防止、避難上の障害防止)

     層間変形角の確認を行うことで予測している。

大地震動に対しては、建物の財産価値は放棄しても人命の保護を図ること

崩壊・倒壊しないこと

建物の終局状態に至るまでの性状を把握した上で、人命の損失が生じないように安全性を確認する

構造種別に応じ一定の保有水平耐力を確保し、各部材の靭性を確保すること

特定の階に変形、損傷が集中しないこと

特定建築物以外では、一定の壁柱量を確保すること

    検討方法=壁量、柱量の確認。剛性率、偏心率の確認。保有水平耐力の確認

3.耐風性の目標性能:

暴風に対して

  構造骨組の応力度が短期許容応力度を越えないこと

  変形がおおむね弾性範囲であること

  屋根材、内外装材、帳壁は脱落しないこと

4.耐雪性の目標性能:

 きわめてまれに発生する積雪状態に対して、

構造骨組の応力度が短期許容応力度を越えないこと

変形がおおむね弾性範囲であること

まれに発生する積雪状態に対して、

 クリープ変形を生じないこと

構造骨組の応力度が長期許容応力度以下であること

 5.耐久性の目標性能:

  腐食・腐朽・磨耗・錆等に対して耐用年限中の使用に耐えられる耐久性が求められる。

  但し、あらかじめ補修・補強の計画によりその目標性能は異なるものとなる。

 6.耐火性の目標性能:

  消火活動、避難時間、周辺への危険・迷惑の恐れがあり、出火から一定時間以上倒壊

を防止しなければならない。